コラム18
離婚を考えたときのために【第2回】
2013.10.01
それでは判断力の欠如が指摘される中、どんな人を結婚相手として選べば幸せをつかめるのでしょうか。
まず、夫の収入が妻の収入を大きく上回っていたり、妻に収入が殆どない場合で、夫側に離婚原因(例えば浮気やDV等)があり、夫が同意しなくても裁判所で離婚が認められたりするようなときです。このような場合、離婚しようと思えば離婚できそうですが、安直に離婚に踏み切るより、まず別居を選択することがお勧めです。
夫婦は、結婚生活で必要になる費用を分担する必要があります(婚姻費用の分担義務といいます)。別居の原因が夫側にある以上、まず、別居すること自体が離婚の原因になるとは思えません。別居して、夫からは月々、数万から十数万円の婚姻費用をもらって離婚後の資金を貯めることから始めましょう。もちろん資金を貯める口座は夫からの振込用の口座とは別に、馴染みの薄い銀行がお勧めというのは前と同様です。
この場合、家賃や水光熱費の引き落としは必ず振込用費の口座にしておきましょう。そのような配慮もせず、振り込まれた金額をそのまま引き出していたりすると、私は別口座を持っていると自白しているようなものです。
新たなお相手ができて、その人と再婚したいと考えている場合でも、事を急ぐべきではありません。結婚は判断力の欠如、離婚は忍耐力の欠如、再婚は記憶力の欠如ともいいます。同じ過ちを繰り返さないためにも、じっくりと経過観察が必要です。
ところで、別居期間が長くなると、夫から家庭裁判所に離婚調停を申し立てられることになるかもしれませんが、これは願ったり叶ったりで、この場合、慰謝料や財産分与についての条件を飲んでくれたら離婚してあげるというくらいのスタンスで対応すればよいでしょう。夫が中年の域に達している場合には年金分割もお忘れなく。なお、夫の定年退職が近いという場合には、こんな悠長なことはしていられません。専門家に相談することをお勧めします。
【4回シリーズ(毎月1日頃掲載)】