コラム30

結婚に求めるもの【第4回】

2015.03.02

ところで、北九州市における平成24年度の婚姻率は5.3(千人あたりの数で、全国平均と同じ)なのに対して離婚率は2.16(全国平均は1.88)ということで、単純に数値だけを比較すると、10組に4組は離婚していることになります。

これは少しショッキングな数値ですが、性格の不一致で離婚ということになるのなら、むしろ10組の内6組が離婚に至っていないということの方が不思議なことなのかもしれませんね。
なお、先ほどの離婚率は単純に離婚した人の割合を示しているに過ぎないので、結婚した年齢、結婚を決意した理由や職業等のフィルターを通してみる必要があります。

例えば、若くして結婚した人たちや、いわゆる「できちゃった婚」、さらには夫の職業が不安定な場合には明らかに離婚率が高くなっています。
夫の職業が不安定な場合、愛が永遠でないことに気付いた妻達が比較的早い段階で「とても疲れたの、もう終わりにしたいの」という話になりやすいことは容易に想像できますね。
また、若すぎる結婚や「できちゃった婚」の場合は、その場の雰囲気というか勢いで後先考えず結婚に至ってしまっていることが多いため、後で冷静になったときにフライングしたことに気付くことになるのでしょう。
特に親から結婚を反対されたりすると燃え上がっている気持ちに火に油を注ぐようなもので、より冷静さを失ってしまいがちですから余計に判断力が欠如しやすい典型のようなものです。

結婚した以上、10組の内の6組の仲間入りをしたいものですが、その仲間入りをするには、時の経過とともに生じる対立や考えの隔たりを大きくしないことが大切です。
そのためには、2人の対立や考え方の違いがまだ小さいときに拡大しない努力をすることですが、その努力が、相手の考え方や価値観を変えようとする方向に向けられると、おそらく徒労に終わってしまうでしょう。
というのも、長年にわたって造られてきた人の価値観や性格等を一方的に変えることなどできるはずがないからです。
逆に変わろうとしない相手に対する怒りや諦めが増幅されるばかりで、精神衛生上よろしくありません。
まずは自らが歩み寄る努力をするか、率直に話し合うことから始めることが解決の近道ではないかと思います。

問題の相手は、他でもないあなたが選んだ相手なのですから。

【4回シリーズ(毎月1日頃掲載)】