社協茶論Shakyo Salon
悩める親に寄り添い“大変”の芽を摘む(R7.3.10)

負の連鎖を断ち切り、子どもたちの未来を守りたい
――― 支援活動を長年続けてこられたのですね
幼稚園教諭を務め、専業主婦となって3人目の育児が一段落した頃、ご縁があって児童相談所の仕事に就き、そこで初めて虐待を受けた子どもたちの存在を知りました。その後、母子生活支援施設に転職し、様々な環境のもとで女性が困難な問題を抱え生活を送っているケースを何度も目の当たりにしました。DVなどの被害だけでなく、自尊感情の低さから陥る“負の連鎖を断ち切る”ためにどうすればいいのか、支援の必要性を痛感して続けているうちに、私のライフワークになっていました。
また、相談者に寄り添うために、自尊感情回復プログラムを学び、支援に役立てています。
そうして、福岡県の幼稚園研修で講師をした一昨年、若松で地域支援を実践している行学学園の中田俊澄理事長と意気統合しました。主に“親”を支援する“子育て”支援ではなく、私たちが目指すのは“子どもの育ち”を支援する“子育ち”だと。ちょうど定年退職を迎えていた私は、理事長の思いに賛同し、“子育ち”支援の「もみじの手」を昨年6月開設しました。
気軽に相談できる「子育ち」の輪を広げたい
――― 心地よくて落ち着くところですね
「もみじの手」は、相談を受けるだけではなく、居心地のよい安らげる場所を提供しています。“深刻な問題になる前”の段階で、気軽に相談することによって、子育ての不安や悩みを軽減し、問題の深刻化を防ぐことを目指しています。私自身の子育て経験も活かし、親も子も笑顔で安心できる空間にしたいと思い、室内はかわいいキャラクターの壁紙にリフォームしました(笑)
私自身も話をすること自体が心や頭を整理する効果があると実感しているので、他人に話しにくい悩みを気軽に語り合える関係性を築くことがとても大切だと思っています。気がねなく話せる環境の中で、男女の脳の違いや、共感や理解の重要性を知ってもらい、子育てに悩む親たちのストレス軽減に寄り添っていきたいですね。親のゆとりが子どもに影響すること、言葉の暴力が子どもの脳に影響を与えること、親子間の愛着形成の重要性などを伝え続け、親自身の自立も支援しています。
「親も子も傷つく“大変な目に遭う”前に救いたい」。それが私の活動の原動力となっています。
地域の皆さんにも「もみじの手」の存在を知ってもらい、より多くの人に利用してもらえるよう、今後はヨガ教室など様々な交流の機会を増やしていきたいと考えています。
■ちょっとひとこと■
子育て中の人たちに寄り添う相談者は誰でもできることではありません。草場さんは人生経験が豊富で適役だと思うので、多くの人に利用してほしいですね。
(学校法人行学学園理事長 中田俊澄氏)
参照) 学校法人行学学園子育ち支援「もみじの手」 https://gyougaku.cc/#care
〒808-0134福岡県北九州市若松区乙丸770-1 e-mail:info@gyougaku.com
平日10:00-16:00 電話予約制(070-9156-9191)で保護者や子どもの発達支援相談を受け付け。情報提供だけでなく、必要に応じて最適な支援機関への紹介も行う。