社協茶論Shakyo Salon

つながり作りは生きる道(R5.6.15)

ひきこもり女性の支援団体「北九女子一歩会」の会長職などさまざまな活動をしている半田百合枝さん。精力的に活動する毎日の秘訣を伺いました。
【profile 半田百合枝 氏(はんだゆりえ)】
北九州市**区生まれ。「北九女子一歩会」「18の会」「八幡東アカデミー」会長、「北九州社会教育・生涯学習研究会」副会長・事務局長、「ぽぽんたの会」相談役、「穴生学舎・周望学舎・市民センター」講師。地域活動として「西本町児童館母親クラブ」「みずかみかずよ顕彰会」会長など。趣味は公認指導士の肩書もある日本3B体操

●ネットワークで助け合おう

――― 女性に特化した引きこもり支援に注力している理由は? 

 

保健体育の中学教師をしていた頃から、不登校問題がずっと気になっていました。
そこで、5年前、同時期に退職した仕事仲間と「北九女子一歩会」を立ち上げました。
在職中、生きづらさを抱える引きこもり女性と家族への支援が、男性よりも圧倒的に足りないと常々考えていたからです。
「自分たちの疑問は自分たちで解決しよう」と調査研究を始めましたが、当事者たちの辛い思いを聞けば聞くほど「このまま放って置けない」と思うようになりました。
とはいえ、専門家でもない私を含めて5人でやれることは限られます。
だから、自分たちが試行錯誤して時間を浪費するよりも、様々な志をもつ支援者が情報交換できる支援機関を目指しました。
活動を通して、当事者だけではなく家族を元気づけることも大切だと痛感しました。
特にコロナ禍の下、女性の引きこもりや自殺者が増えたことも社会問題になりましたよね。
彼女たちの気持ちが吐き出せる場を作ると共に、自分たちも学び続ける場も作り続け、疑問を解決しながら一つずつ活動へ繋げて”一歩ずつ階段を登ってきた”という感覚です。
当初の「女性が社会へ一歩でも踏み出していけるように支援する」思いを共有して、私自身も少しずつ多種多様なネットワークを広げていき、私が退いても会の活動は継続できるようなバトンリレーの仕組みを作ってきました。
現在、毎月開催している「ひなたぼっこ」から派生してできた八幡東区社会福祉協議会が実施する「ひるまの星」のような、引きこもり女性が気軽に集える居場所が、社会福祉協議会を通して増えると嬉しいです。

 

●アドバイスは「私の後ろ姿を見て!」

――― 毎日を元気に乗り切るコツはありますか?

 

丈夫に産んでくれた親と、学生時代から半世紀の付き合いになる夫には大変感謝しています。
「身体」「心」「社会との関わり」の三つの要素で成り立つ健康は、身体と心は自分でなんとかやりくりできますが、ひとは一人では生きていけません。
「人とつながること」は人生の財産です。
絆は年月とともに深まっていき、新しい絆もできれば、途絶える絆もあり、いろいろある方が人生は豊かになります。私は活動すればするほど絆は増える気がしますね。
たとえば子育てを理由に何かを辞退してもいいけど、趣味でも何でも一つくらいは一歩踏み出して始めれば、そこから繋がりが増えていくこともあると伝えたいですね。
14年間の専業主婦生活を挟んで学校教育から社会教育へ転身した頃、「社会に出ることは自分らしく生きていけること」だと実感しました。
”今日すること、行くところがある”など“必要とされている自分を意識する”ことによって、”何をするか段取りを考えること”が習慣になっているから、「段取り上手」になりましたよ(笑)
仕事の他に地域活動や趣味にと毎日忙しくしていますが、私は大きなことは考えず、心残りがないように今やりたいことをやり続けていきたいと思っています。それが元気に生きるコツかな(笑)

 

八幡東区社協主催サロン「ひるまの星」

■ちょっとひとこと■

半田会長は、お料理も上手!!
女子一歩会主催の「ひきこもり女子会」では、半田会長のお手製ケーキが参加者に大人気!
人参やホウレン草などを使った健康的なケーキは、毎回の楽しみとなっています。
みんなのお腹も心も満たしてくれる、パワー全開、愛情たっぷりの半田会長です。 
(北九女子一歩会 熊澤さん)