社協茶論Shakyo Salon
100年続く角打ちは、街と心をつなぐ温かな居場所(R8.9.29)
●100年続く伝統の角打ちと、カウンターで育まれる温かな「居場所」
――― 藤髙酒店の歩みと、日常の中で生まれる見守りについて
大正時代に建てられた風情ある木造店舗で、八幡製鉄所の製鉄マンたちを長年支えてきた「藤髙酒店」。42年前に佐賀県(現・佐賀市川副町)から嫁いできた藤髙須賀子さんは、看板女将として温かな笑顔でカウンターに立ち続けています。「有明海の美味しい米と海苔がある川副の出身だから、うちのおにぎりが一番美味しいんですよ」と明るく語る須賀子さん。出汁がしっかり染み込んだ名物の甘口おでんや手作りのお惣菜は、訪れる人の心をほっとほぐします。夕暮れ時になると、店内には長年の常連さんから若者、さらにはメディアを見て遠方から訪れる旅行者まで、多様な人々が集います。「ここに来れば誰かに会える」——長年お店を愛し、ともに歳を重ねてきた常連さんたちの無事を自然と確かめ合うような日常の会話は、お店全体が温かな「見守り」の拠点になっている証です。世代を超えた笑顔が交わるカウンターは、戸畑の街に欠かせない身近な居場所となっています。

●「市民センターでの出会い」から始まった地域福祉の輪
――― 各種委員から西戸畑老人クラブ連合会会長への広がりの経緯について
店を切り盛りする傍ら、地域福祉の担い手としても多忙な日々を送る須賀子さん。その原点は、約25年前に市民センターを訪れた際、たまたま食生活改善推進員に誘われたことでした。当時は保健師と協働して「子育て新聞」を作成して保育所や小児科へ配ったり、子育て世代の交流の場を作ったりと精力的に活動。そこから市民センターでの繋がりを通じて、健康づくり推進員や福祉協力員へと自然な流れで活動の幅が広がっていきました。現在は、栄養士や保健師と協力しながら、栄養面・衛生面に配慮した「ふれあい昼食会」に注力。また、健康づくり推進員としてウォーキングやラジオ体操、グラウンドゴルフなどで地域の健康維持を図り、福祉協力員としては一人暮らしの高齢者を重点的に見守っています。さらに60歳を過ぎて加入した西戸畑老人クラブ連合会では、前会長から託される形で会長に就任。地域を想う行動力が、豊かな福祉のネットワークを育んでいます。

●「自分自身の健康と笑顔が一番!」街を明るく照らし続けるエネルギー
――― これからの抱負と、地域福祉への思いについて
店を切り盛りしながら、西戸畑老人クラブ連合会会長をはじめ多くの地域活動に携わる須賀子さん。日頃から地域のさまざまな行事や活動に寄り添い、シニア世代をはじめ街の人々に温かなエールを送り届ける姿は、戸畑のエネルギーそのものです。角打ちでの自然な交流をきっかけに、常連の男性陣が地域の行事やボランティア活動へと足を踏み出すような、嬉しい好循環も生まれています。「まずは自分が健康で、笑顔でいることが一番」と語る須賀子さん。大正から続く歴史ある角打ちのカウンター越しに掛ける温かな言葉と笑顔は、これからも戸畑の街と人々の心を明るく包み込んでいきます。
参照) 藤髙酒店
電話・FAX 093-871-4159

