コラム17

離婚を考えたときのために【第1回】

2013.09.02

長らくの間、『つれづれ日記』のことを忘れていました。東日本大震災が起きて以来何となく、そんな気になれなかったのが、その内、「まっいいか!」になり、それが、「そんなものなかったことにしよう。」になり、そして現在に至っていたのですが、先日、「所長、最近『つれづれ日記』を書いていませんね!」との指摘を受け、「そうでしたね、それじゃ再開しましょうかね。」ということになりました。再開第一弾はお題のとおり、日記といえるか疑わしいものとなってしまいましたが、『らいと』の職員さんに「どんな話を聞きたい?」と尋ねたときに一番受けたテーマだったので、このあたりから書いてみようと思ったわけです。

長年、夫婦をやっていると、結婚を決意した当初の「この人と一緒にいれるなら、他に何も望まない!」等という高ぶった気持ちはもはや冷め、「こんな思いをしてまでこの人と一緒にいる必要はないのでは・・・。」、「私の人生なんだから、私の思い通りに生きてみたい。」等と悩んだことは誰にでも一度はあるのではないでしょうか。この程度ならまだ傷は浅いといえそうですが、「もうこの人と同じ空気を吸いたくない!」、「この人が本当にいなくなってくれたらなあ。」等と真剣に考えるようになると、もはやこれまでかも・・・。特に女性がそう考えるようになると、やり直しは不可能といってもいいかもしれませんね。今回の日記は、もし離婚を考えるようなった場合に、どのような準備をしておいたらよいかということを、経済的弱者となりやすい女性の立場からまとめてみたものです。

まず、どんな準備をするかということを考えるより、早く離婚という行動(家庭裁判所での調停等)をとるべきでしょう!という場合があります。それは、夫に、現在も、これからも多くの収入を期待できない場合や、ギャンブルにのめり込んでいるような場合です。愛が終わり、妻をつなぎ止めるお金(生活の基盤)もないという場合がそうです。

ただ、このような場合でも思わぬ落とし穴もあるので注意が必要です。もし、妻が結婚後一生懸命働いて貯めた貯金等がある場合、夫から「そのお金は、結婚してから貯めたものだから、俺にも半分もらう権利がある!」と言われたらどうでしょう。そうです、財産分与の請求です。妻の側からすると理不尽とも思える夫からの財産分与請求にどう備えておけばよいのでしょう。答えはそれほど難しくはなく、いつも我が家にはお金がないことをすり込んでおくことと、身近な銀行等に貯金しておかないことです。離婚話がこじれ、離婚調停になったような場合、裁判所を通して銀行調査ができるので、預貯金があることを隠せないのです。ただ、調査するといっても裁判所が勝手にやってくれるわけではありません。夫側から裁判所に○○銀行の預金調査をしてほしいと申立をする必要があるので馴染みの薄い銀行(他県に本店を構える地方銀行等)まで調査されることはあまりありません。同じ理由で、ゆうちょ銀行であれば、北九州市内居住者の場合は下関市内にある郵便局を選べば良いのです。なぜ下関かというと、下関市内のゆうちょ銀行の場合、貯金の管理業務は広島支店で行われているため、福岡支店を調査されてもヒットしないと思われるからです。思い当たる方は、生活費の引き落とし用の口座はそのままにして、それ以外の口座を他の銀行に移しましょう。

しかし預貯金の存在を隠すことは、嘘をつくことになり、アンフェア-です。ということで、私からは積極的にお薦めするわけにはいきません。

【4回シリーズ(毎月1日頃掲載)】