コラム19

離婚を考えたときのために【第3回】

2013.11.01

次に、性格の不一致や価値観の相違等といったように夫側に決定的な原因のない場合や、妻の側に問題がある場合ですが、夫が離婚に同意しなければ裁判所で離婚が認められる可能性は低いため、後に離婚を認めてもらいやすくするためにも別居を選択することが必要です。(3年間別居すれば離婚が認められると誤った情報が流れていますが、まだ法律ではそのようになっていません。ただ、長期間の別居は婚姻関係が破綻している証拠となりやすいのは事実でしょう。)しかも、妻側の落ち度で別居となったとしても戸籍上夫婦である以上、夫には婚姻費用を負担する義務がありますので、離婚が成立するか、再度同居するまでは夫から婚姻費用を支払ってもらうことができるのです。

離婚を決意したわけではなく、ただ漠然と離婚を考えたという場合はどうでしょう。

あたりまえのことですが、このようなときに大切なことは、仮に離婚となった場合、どのようにしたら生活していくことができるかということを考えておくことです。

結婚15年以上経過しているようなときは、年金分割したら65歳以降いくら年金がもらえるのかを日本年金機構(社会保険事務所)に問い合わせをすることは当然として、離婚するときまでの「へそくり」目標額を決めて、実行していくこと、離婚時の財産分与額を見通しておくこと等、いろいろと考えられます。

しかし、家計の管理を全て夫が行っていて、妻には給料や預貯金がどの程度あるのかすら教えてくれないような場合、「へそくり」計画そのものが困難です。得てして、このような夫は、「1ヶ月これだけでやりくりしろ!」等といって定額(しかも低額)な生活費しか渡してくれません。その上、その金額でやりくりできないと妻を責めるため、追い詰められた妻はサラ金等に走るということもよくある話です。実情を話して生活費のUPを頼んでも、「どうして、これで生活できないのか」等という夫の性格は変えようとしても無理でしょうから、このような場合も別居→婚姻費用分担請求→離婚・財産分与という流れが良いかもしれません。

【4回シリーズ(毎月1日頃掲載)】